「剣魂43号」平成9年度・・・「無題」

2013年07月29日 22:24

「無 題」

学生時代のことである。
「試合になると、持っている自分の力をどうして発揮できないのか。」
先生方や先輩・同僚によくそんな言葉をかけられていた。もちろん他人に指摘されるまでも無く、自分自身が一番悩んでいたテーマであった。
考えたことを言えば、強い選手の試合振りを見て、その見事な技を日々の研究の中に取り入れてみたり、試合運びを真似てみたりしたものの、糸口を見い出すことができなくて、自問自答する日々が続いていた。
そんな時、ふと思いついたのが自分の性格である。
それまで他のことに原因を見い出そうとばかり考えていたが、自分の内面を見つめることに意識の変化がなされていったのである。
幸いなことに、私の周囲には数多くの素晴らしい指導スタッフ・先輩がいる。
その中から、共感を覚え、手本となる人の生き方、考え方を真似ることから自己改革を図っていきさえすれば良かった。
自分の剣道が変わっていくのが自分自身で判る程、手応えを覚えたものである。
剣道が変わるということは、自分の生き方、物の見方、考え方が明らかに変革をとげつつあった。
学生時代にやっておかなければならないことは数多くある。
竹刀を通して自己改革を図ることのできる学生時代を意義あるものにして欲しい。
その手助けができる機会を与えていただき感謝している。