剣魂50号 平成17年 「リセットボタン」

2013年08月04日 09:08

剣魂50号 平成17年 「リセットボタン」

 

ワールドカップ予選の火蓋が切られ、わが日本代表のジーコジャパンも対北朝鮮に辛くも勝利し、まずまずのスタートを切ることができた。サポーターの誰もが「引き分け」を覚悟しなくてはならない残り時間一分、まさに奇跡的な「大黒様」の勝ち越しシュートがネットを揺らした。
私もご多分にもれずひとりマイテレビでの観戦であったが、一瞬目を離したときに決勝ゴールが生まれたのである。瞬間残念であったが、テレビ放映は良くしたもので、すぐに再生ビデオが流れてくれる。しかもスローモーションでも見ることが出来る。
 昨年は広島市を遠く離れた関係で市民球場に足を運ぶことは出来なかったが、例年一回か二回はカープの勇姿を観戦に行く。たまらない臨場感も魅力的ではあるが、実際に自分の目で、テレビ放映とは違う視点でシーンを自由に追いかけることができることが、楽しみなのである。ただし「うどん」を食べようと一瞬目を離した時に、スリリングで緊迫感のあるシーンを見逃したりしてしまう。これがテレビであればリセット再生ができるのにとの思いにいたる。
 最近の小学生にアンケートを取ったところ、「人間は死んだあとに再度生まれ変わることができると思うか」の質問に対し、思うと答えた児童が30数%いると報告されていた。自分の思い通りにならなくなると、リセットボタンを押して再度やり直しができる。こんな感覚はどこで助長されてきたのだろうか。一つ思いつくのはゲームである。パソコン・プレステ・ゲームボーイ等である。仮想と現実(バーチャルリアリティー)の境界を見定めることができにくい人間が多くなってきている。人生何度でもやり直しが利くとでも思っているのだろうか。リセットボタンを押しても自分に都合の良い世界が「再度戻ってくるなど決してないはずなのに。
「過去」は作り変えることができない。「未来」は自分の手で作り出す可能性を秘めている。
真剣に自分の目の前に展開する「今」を懸命に行き続けることが一番大切だといくことなのかもしれない。
 「うどん」を食べるときも見逃さない覚悟を持ってカープを観戦しようと思う。