剣魂52号 平成19年・・・「弱冠の時代」

2013年08月04日 09:13

剣魂52号 平成19年・・・「弱冠の時代」 創部50周年記念号より

 

剣魂会のホームページを拝見しますと、初代師範の大森玄伯範士が部誌創刊号、20周年記念号、さらには30周年の記念誌へ玉稿を寄せられています。続く40周年にあたる平成9年には、二代目師範の中西康範士が記述されている文章に接することができます。時代の移り変わりは無常なものとは言え、50周年を迎える輝かしき節目の年に三代目の師範として就任することとなり、身の引き締まる思いの中で、その重責を痛感しているところです。
 さて、毎年最近の成人式においては、若者の横暴な振る舞いのニュースが流されています。来賓祝辞の最中に数人が壇上にかけ上がって騒いだり、爆竹がならされたり、プランターを客席に蹴落としたとして逮捕さえ出る始末です。かく言う私も高校生を預かる教育者の一人とてその責任の一端を担っているのですが・・・・
「弱冠」とは二十歳を表す言葉だそうです。まさしく大学時代とは、人生における「弱冠」の時代ということができるでしょう。自分の将来に対して希望と不安を抱く葛藤の真っ只中で、生きる土台を形成していく時期なのです。
 今年夕張の成人式における予算はゼロ。その開催が危ぶまれる中で、新成人自らが立ち上がり企画を練って全国へ呼びかけたところ、数百万円の浄賤が集まり、励ましの手紙や祝電が多く寄せられたそうです。新成人代表の大学生は「夕張の町はかけがえのない故郷。町を離れてそれを実感した。」と述べ、これまで以上に意義のある式典が行われたそうです。出席した一人ひとりが自信を持って大人の仲間入りをしたことでしょう。学生時代を通して、さらに剣道の修行を通して「弱冠」から、自律・自立していく自分の存在を是非模索し続けて欲しいと思っています。