剣魂54号 平成20年度・・・「先輩の後ろ姿」

2013年08月04日 09:51

剣魂54号 平成20年度・・・「先輩の後ろ姿」

 

平成21年は私にとってビッグニュースの年明けでした。全国選抜高校サッカー選手権大会で広島皆実高校が素晴らしい「絆」を表現し、スター軍団鹿児島城西高校を圧倒、全国の頂点に立ったからである。

以前、縁を持っていた一人としてだけでなく、広島県スポーツ界に強烈な光明を射し込んでくれたことを思うと嬉しい限りである。

さて、広島皆実高校サッカー部の藤井監督は35歳という若さで大会史上最年少優勝監督三本の指に入るという快挙であったが、彼は広島大学の卒業生である。緒戦から勝ち進む度にTVのインタビューで口にしていたのは、皆実高校歴代の監督がこれまで築いてくれた土台に立脚してできていることが今のイレブンに生かされているということを強調され、感謝の言葉を繰り返していた。その意図するところは”私はこれまでの先輩監督さんの後ろ姿を見つめながら、その求めていくところを教えてもらい、その指導される姿から、自分のとるべき言動を選択しながらの年月がここで開花したのです”と受け取ることができた。

翻って考えてみると、同じ道を志す多くの仲間には、先輩、同僚、後輩と縦の関係がある。誰もが自己の成長を求めて突き進もうとするのだが、一番の近道は数多くの尊敬できる先輩を持っていることかもしれない。自分の一年後、三年後あるいは十年後の姿を追い求める具体的な指標がそこにはあるのであるから。

自分自身にとって先輩から共鳴できる、その道の求め方あるいは考え方を真似りとこから入り、オリジナルな世界まで勢いで行くことができると、正に・・・・・「守・破・離」の訓えに添っていることに気付かされるのである。

剣道部内ではもちろんのこと、さらに幅広い分野の中でよき先輩を持てる(見つけ出せる)喜びを体感できる学生時代であることを切に願っている。